はじめての賃貸選びで知っておきたい構造の基礎知識 —**
賃貸物件を探していると必ず目にする「RC造」「鉄骨造」「木造」。
同じ“建物の構造”でも、住み心地・防音性・家賃・災害への強さなどが大きく変わるため、賃貸選びではとても重要なポイントです。
今回は、それぞれの構造の特徴・メリット・デメリットを分かりやすく比較しながら解説します。

RC造(鉄筋コンクリート造)とは?
RC造=鉄筋+コンクリートでつくられた建物。
マンションで最も多い構造で、防音性・耐震性・耐火性に優れています。
■ RC造のメリット
① 防音性が高い(生活音が響きにくい)
コンクリートで壁や床が厚いため、
- 上下階の足音
- 隣の生活音
などが響きにくく、静かな生活をしたい人に最適。
② 耐震性が高い
鉄筋を“骨”、コンクリートを“肉”として組み合わせているので揺れに強い。
③ 耐火性が高い
コンクリートは燃えにくく、火災時の延焼リスクが低い。
■ RC造のデメリット
① 家賃が高め
建築コストが高いため、賃料にも反映されやすい。
② 結露が起きやすい
気密性が高いぶん、換気をしないと湿気がこもりカビが発生しやすい。
■ RC造が向いている人
- 静かな環境で暮らしたい
- テレワークが多い
- 夜型・生活リズムが違う同棲カップル
- 楽器相談の部屋を探している
鉄骨造(重量鉄骨・軽量鉄骨)とは?
鉄骨(鉄の骨組み)でつくられた建物。
鉄骨造には2種類あります。
- 重量鉄骨(H鋼) → マンション系に多い
- 軽量鉄骨 → アパート系に多い
■ 鉄骨造のメリット
① RCほどではないが防音・耐震に優れる
特に重量鉄骨は構造が頑丈で、揺れに強く、RC造と同等レベルに感じる物件もあります。
② 木造よりも火に強い
鉄は燃えないため、木造より火災リスクが低い。
③ 家賃が比較的お手頃
RCより建築コストが低く、費用と品質のバランスが良い。
■ 鉄骨造のデメリット
① 防音性はRCより劣る
軽量鉄骨の場合、
- 足音
- 話し声
- ドアの開閉音
が伝わりやすいことも。
② 夏は熱く冬は寒いことがある
断熱材が少ない物件だと、気温の影響を受けやすい。
■ 鉄骨造が向いている人
- RC造ほどの予算はないが、静かに暮らしたい
- アパートでも比較的しっかりした建物が良い
- 防音より家賃とのバランスを重視したい
3. 木造とは?
木を柱とした昔ながらの構造。
戸建てや小規模アパートに多く使われています。
■ 木造のメリット
① 家賃が安い
建築費が安い分、家賃設定が最も低くなる傾向があります。
② 通気性が良い
湿気がこもりにくいので、結露が少ない。
③ 物件数が多く選びやすい
特に地方では豊富。
■ 木造のデメリット
① 防音性が低い
- 隣の話し声
- 足音
- 携帯のバイブ音
すら聞こえることもある。
② 火災に弱い
木は燃えやすく、延焼しやすい。
③ 揺れに弱いこともある
建て方によって差が出るが、RC・鉄骨より揺れる。
■ 木造が向いている人
- とにかく家賃を抑えたい
- 音が気にならないタイプ
- 単身で短期間の入居予定
- 周りに住民が少ない物件ならOK
4. 比較表でわかる!構造の違いまとめ
| 構造 | 防音性 | 耐震性 | 耐火性 | 家賃 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| RC造 | ◎ | ◎ | ◎ | 高い | 静かさ重視・在宅ワーカー |
| 鉄骨造(重量) | ○ | ◎ | ○ | やや高い | バランス重視 |
| 鉄骨造(軽量) | △ | ○ | △ | 普通 | 予算を抑えたいが木造は避けたい |
| 木造 | ×〜△ | △ | × | 安い | コスパ重視・短期入居 |
5. 結局どれを選べばいい?
静かさ・住みやすさ重視なら → RC造
騒音トラブルを避けたい人に最適。
コスパ・バランス重視なら → 鉄骨造(重量鉄骨)
RCより安く、木造より安心。
予算最優先なら → 木造
単身や短期入居に向いています。
まとめ:構造を知ると“後悔しない賃貸選び”ができる
賃貸物件は見た目が良くても、構造によって住み心地は大きく変わります。
特に「騒音」「夏暑い・冬寒い」「振動が気になる」などの悩みは、建物の構造が原因であることが多いです。
物件選びでは
- RC・鉄骨・木造の特徴
- 生活スタイルに合う構造
を意識して選ぶことで、失敗しない賃貸生活が実現します。







