家庭で使うガスには、「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」という2種類があります。一見するとどちらも同じガスのように思えますが、実は成分や供給方法、料金、使い勝手、安全性などさまざまな違いがあります。ガスは毎日の生活に欠かせないエネルギーですから、違いをしっかり理解して、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、都市ガスとプロパンガスを徹底的に比較しながら、その特徴をわかりやすく解説します。
都市ガスとは?

都市ガスは、天然ガスを主成分とするガスです。都市部では地中に敷設されたガス管を通じて家庭に供給されるのが一般的です。都市ガスの特徴は以下の通りです。
- 供給方法が便利
地中のガス管を通じて直接家庭に供給されるため、ボンベの交換や補充が不要です。ガスの残量を気にせず使えるのは大きなメリットです。 - 料金が安定している
都市ガスは、プロパンガスに比べて単価が安く、基本料金と従量料金のシンプルな料金体系で使うことができます。月々のガス使用量が多い家庭ほど経済的です。 - 環境への負荷が少ない
天然ガスが主成分のため、二酸化炭素や硫黄酸化物の排出量が少なく、クリーンな燃料として評価されています。
ただし、都市ガスはガス管が整備されていない地域では利用できません。都市部では非常に便利ですが、郊外や地方では選択肢が限られることがあります。
プロパンガス(LPガス)とは?
プロパンガスは、液化石油ガスをボンベやタンクに詰めて供給するガスです。都市ガスとは異なり、個別にガスを補充する必要があります。特徴は以下の通りです。
- 設置場所を選ばない
ボンベやタンクさえ設置できれば、都市ガスのガス管が届かない地域でも利用可能です。地方や山間部の住宅ではプロパンガスが一般的です。 - 高い熱量で効率的
同じ量のガスでも都市ガスより多くの熱を出せるため、調理や暖房の効率が良いという利点があります。 - 料金は都市ガスより高め
プロパンガスは都市ガスより単価が高く、業者や地域によって価格差があります。また、ボンベやタンクのレンタル費用がかかる場合もあります。 - 災害時でも強い
停電してもガス供給が止まらないため、災害時の備えとしては有利です。
一方で、ガス漏れのリスクが都市ガスより高く、空気より重いため床付近に溜まりやすく、定期的な点検やガス漏れ警報器の設置が重要です。
都市ガスとプロパンガスの違いを細かく比較
| 項目 | 都市ガス | プロパンガス(LPガス) |
|---|---|---|
| 成分 | メタン主体 | プロパン・ブタン |
| 供給方法 | 地下のガス管 | ボンベ・タンク |
| 料金 | 安定・比較的安価 | 都市ガスより高め、地域差あり |
| 設置範囲 | ガス管がある地域のみ | どこでも設置可能 |
| 安全性 | 空気より軽く拡散しやすい | 空気より重く床に溜まりやすい |
| 災害時の利用 | 停電時は影響なし(ガス管供給) | 停電に影響されず使える(ボンベ方式) |
| 環境負荷 | 低め | やや高め |
| 初期費用 | 配管済みであれば低め | ボンベ・タンク設置費用がかかる場合あり |
どちらを選ぶべき?
都市ガスとプロパンガスは一長一短です。選ぶ際の目安としては次のように考えると良いでしょう。
- 都市ガスがおすすめの人
- 都市部に住んでいてガス管が整備されている
- 毎日の使用量が多く、料金を抑えたい
- ガスボンベの交換などの手間を避けたい
- プロパンガスがおすすめの人
- 郊外や地方でガス管が通っていない
- 災害時の備えとして停電時でも使えるガスを求める
- 設置スペースに余裕がある
まとめ
「駅近」も「広さ」も、どちらが正解ということはありません。
大都市ガスとプロパンガスは、一見似ているようで、供給方法や料金、使い勝手、安全性、環境負荷など多くの違いがあります。ガスを選ぶ際には、料金だけでなく住んでいる地域やライフスタイル、災害時の備えなども考慮することが大切です。家庭に最適なガスを選ぶことで、毎日の生活がより便利で安全になります。







